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2013年5月10日 (金)

クルミは偉大だ

 私の故郷は長野県の飯田市、昔から水引の産地として有名で、近頃では人形劇の町としても知られています。なぜか街の真中をりんご並木が貫いているという、静かな城下町です。
 こう書くととても良い処のようですが、とくに何が自慢というほどの町でもありません。ただ私が飯田に帰る時にとても楽しみにしているものがあって、それは「五平餅」。   
 
 ご飯をハンペンのように平たくして竹の棒に刺して炭で焼く、焦げ目の着いたところに胡麻味噌を塗って食べるという、これ以上ないくらい単純な食べ物。これを平たく伸ばさないで筒状に丸くしたら秋田のキリタンポになる。まあナンですな、五平餅とキリタンポは、ハンペンとチクワの関係ですかなあ〜。
 
 五平餅は田舎に行くとあちこちにありますが、飯田の五平餅には特徴があって、ハンペン状ではなくて、竹の筒に入れて型を取るから、丸くて小さいんですね。これを二つ並べて棒に刺して、味噌も胡麻ではなくてクルミ味噌。このクルミというところがミソ(?)。
 形が小さいから香ばしい、そこにクルミと味噌の香りが絡む、もう何とも言えない。これだけは忘れることのできない味なのです。しかも子供の頃、これを囲炉裏で焼いて食べた記憶があるから余計に始末が悪い。私にとってはノスタルジーの固まりなんです。
 
 でも今は、飯田でもなかなか食べられない。先日、飯田で仕事があって、この「クルミ味噌の五平餅」を食べさせる店を見つけたのです。もう狂喜乱舞。さすがに乱舞はしませんでしたが、食べている間、仕事のことは完璧に忘れてましたね。
 お土産にその店手作りのクルミ味噌を買って帰りました。これね、東京のデパ地下で探したって、お目にかかれるものじゃない。ご飯に乗っけても何に付けても、じつに美味しい。クルミは偉大です。
 
 ところで最近、クルミのもっと偉大な側面が発見されました。クルミを食べると、悪玉(LDL)コレステロールが下がるのです。ナッツ類は脂肪分が多いから身体に悪いと思ってません。そんなことないんですよ。
 
 以前、このコラムでもご紹介しましたが、ナッツはビタミンや抗酸化物質、ミネラルに食物繊維やらと、身体に良い成分が豊富に含まれています。しかもクルミの場合、含まれている脂肪は不飽和脂肪酸、とくに「ω(オメガ)3脂肪酸」といって、その代表格がご存知のEPAです。イワシなどの魚に豊富な脂肪酸で、血液をサラサラにして心臓病を防ぐという評判の、あれですよ。
 しかもね、2009年にカリフォルニアのロマリンダ大学で実験したら、コレステロールを下げる作用に関しては、魚よりクルミの方が効果が強かったんですから、どうです、クルミは偉大でしょ。
 
 今はミックスナッツにちょこっと入っている程度のクルミ、食べる人もそんなに多くはないようです。でも、これほど身体に良い食品なんですから、もっともっと食べましょうよ。
 え、じゃあ、クルミのパイにクルミのタルト、それにクルミ饅頭って、ちょっと待ってよ、そういう話してんじゃないんだから・・・。

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