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2015年7月22日 (水)

大口開けてくれる商売

「医者と落語家、どっちが楽しいですか」、よく聞かれます。これほど困る質問もないんですよね。だって、どっちかがたのしい、なんて答えたら、もう片方は楽しくないということになるわけでしょ。これは困りますよ。場合によっては、どちらとも言い難い状況ってあるんですね。だから結構、質問する相手によって答えが違っちゃうわけ。
医師会主催の会(こういう質問をするのは医者が多い)で聞かれたりすると、「そりゃあ医者ですよ、決まってるじゃないですか」と答えるし、落語会の後の座談会(こんな時も必ず聞かれる)なんかでは、「やっぱり落語家ですね」ってな具合。
私って、ホント、いい加減な奴だねえ。
でも言えるのは、お客さんに大きな口を開けて笑っていただけると、すっごく嬉しいんですね。医者やってると、患者さんに笑ってもらうなんてことは、ほとんどないです。雑談している時はともかくとして、仕事で話している時なんかは、患者さんはほとんどが難しい顔。たまには怒り出す人もいるしね。もし笑顔で話せたとしても、せいぜいニコニコしてくれる程度で、大口開けて笑っていただけるなんてことまずないですよ。仕事中、患者が大口開けて商売になるのは、歯医者くらいなもんですね。
 
ところで、歯医者さんって虫歯の治療だけじゃなくて、最近では予防にも力を入れる方が増えています。虫歯を作らないための歯科医療、大いにやってもらいたいものです。これはね、「虫歯がなければ何でも噛める」なんて単純な話じゃなくて、心臓病に認知症、さらには長生きにも関わることなんです。 
歯周病ってご存知でしょ。その原因になるのが歯周病菌。ちょっと意外なようですが、この菌が血液に入って心臓の動脈(冠状動脈)に到達すると、心筋梗塞の原因になるんです。
 
それだけじゃないんですね、これは愛知県で行われた研究なのですが、65歳以上の人を3年から4年間追跡調査して、歯と認知症の関係を調べたんですね。すると残っている歯の数が多い方が、認知症のリスクも低いことが分かったのです。
調査結果によると、歯が無くなってしまったのに入れ歯を使っていない人では、歯の数が20本以上残っている人や、あるいは入れ歯をしていてかみ合わせが良好な人に比べると、認知症の発症リスクが最大1.9倍高いことが分かりました。
  
歯周病や虫歯などの歯の不具合が、心臓病や認知症にまで影響を与えるなんて、ちょっと怖い話でしょう。でもね、もっと怖いことに、じつは死亡率にまで関わってくるんです。
これも日本で行われた調査ですが、65歳以上の人2万人以上を4年間追跡調査したところ、歯が20本以上残っている人に比べると、10本から19本残っている人の死亡率は1.3倍に、0本から9本しか残ってない人では1.7倍に上昇していたんだそうです。
 
やっぱり自分の歯で噛むことは大事なんですよ。この話をある老人ホームで講演した先生がいたんですね。でも相手が高齢者だから、理解してもらうのに苦労したんですって。どうやって話したのか聞いたら、「噛んで含めるように」話したんだってさ・・・本当?

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